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その手指の痛み、更年期のせいかもしれません

その手指の痛み、更年期のせいかもしれません

「メノポーザルハンド」を知っていますか?

朝起きると、手がこわばっている。

指の関節が痛くて、ペットボトルのふたを開けるのがつらい。

料理をするとき、スマートフォンを持つとき、何気ない動作のたびに指が痛む……。

「年齢のせいかな」
「手を使いすぎたのかな」

そう思いながら、我慢していませんか?

更年期前後に現れる手指の痛みやこわばりは、最近「メノポーザルハンド」と呼ばれるようになりました。メノポーズ(menopause)閉経という意味です。聞き慣れない言葉かもしれませんが、診療をしていると、手指の症状に悩んでいる方は決して少なくありません。

レントゲンでは「異常なし」。でも、痛いとか違和感とか。。。

婦人科にいらっしゃる患者さんの中には、こんな経過をたどってきた方がいます。

「指が痛くて整形外科を受診したけれど、レントゲンでは特に異常がないと言われました」

「痛み止めをもらったけれど、なかなかすっきりしなくて」

「エクオールも飲んでみたけれど、私にはあまり変化がありませんでした」

検査で大きな異常が見つからないと、少し安心する一方で、痛みが続けば不安になりますよね。手指の痛みにはさまざまな原因があります。骨の変化がレントゲンに写っていなくても、痛みやこわばりが起こることはあります。

そして、その背景の一つとして考えたいのが、更年期に伴う女性ホルモンの変化です。

女性ホルモンと手指の関係

更年期には、女性ホルモンの一つであるエストロゲンの分泌が大きく変動し、やがて減少していきます。

エストロゲンは、子宮や卵巣だけでなく、全身のさまざまな組織に関わっています。手指の関節や靱帯にもエストロゲンの受容体があり、その減少が、痛みや腫れなどに関係している可能性が指摘されています。 (jaog.or.jp)

更年期前後にみられる手の不調には、たとえば次のようなものがあります。

  • 指の関節の痛みやこわばり
  • 指の関節が腫れたり、変形したりする
  • 指の曲げ伸ばしがしにくい、引っかかる
  • 手首や親指の付け根が痛む

もちろん、すべての手指の痛みが女性ホルモンの低下によるものではありません。 関節や腱の病気など、ほかの原因が隠れていないかを確認することも大切です。

エクオールで改善しないときは?

更年期の手指の症状について調べると、「エクオール」という言葉を目にする方も多いと思います。

エクオールは、大豆イソフラボンから腸内細菌によって作られる成分で、エストロゲンに似た働きがあります。手指の痛みや腫れの改善がみられたという報告もあり、選択肢の一つです。 (jaog.or.jp)

ただ、効果には個人差があります。

試してみて楽になる方もいれば、十分な変化を感じられない方もいます。

エクオールでよくならなかったからといって、もうできることがないわけではありません。

症状や体調によっては、婦人科でホルモン補充療法を含めた治療を相談することもできます。

ホルモン補充療法で楽になる方もいます

ホルモン補充療法(HRT)は、減少したエストロゲンを補う、更年期症状の治療法です。

ほてりや発汗の治療というイメージが強いかもしれませんが、ほかの原因を確認したうえで、手指の症状がある方にHRTを行い、痛みが楽になることもあります。 (jaog.or.jp)

実際に、更年期前後の手指の変形性関節症を対象とした日本の研究では、HRTを受けた方の痛みや手の機能が改善したと報告されています。ただし、研究はまだ限られており、誰にでも効果があるわけではありません。 (pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)

HRTが適しているかどうかは、症状だけでなく、年齢、閉経からの期間、持病やこれまでの病歴などを確認して判断します。乳がんの既往や血栓症の既往などがある場合は、HRTを使えない、あるいは慎重な判断が必要なこともあります。

治療のメリットとリスクをお話ししながら、その方に合った方法を一緒に考えていきます。

手の痛みでも、婦人科に相談していいんです

「手が痛いのに、婦人科に行っていいの?」

そう思う方もいらっしゃるかもしれません。

更年期前後に手指の痛みが続いているなら、婦人科に相談してください。

一方で、手指の痛みは更年期以外の病気でも起こります。関節の腫れや朝のこわばりが続く場合は、関節リウマチなどを調べることも大切です。 急に強く腫れて赤く熱を持つ、発熱を伴う、しびれや力の入りにくさがある場合も、早めに医療機関を受診しましょう。

整形外科で診てもらうことも、婦人科でホルモンの変化を含めて相談することも、どちらも大切な選択肢です。

毎日使う手だからこそ、痛みがあると、小さな不便が積み重なります。

「年齢のせいだから仕方ない」と一人で我慢せずに、ぜひ相談してくださいね。

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